【理由】新入社員や若手社員は企業型確定拠出年金(企業型DC)に入るべきではないと思う

経済なニュースに関する話題

 

最近、日本の財源不足に起因する「年金だけでは老後に2000万円足りない問題」が話題となっています[1]。

これからは、日本は更なる少子化・超高齢化社会を迎えていきます。「お金の無い」日本政府に頼ることは難しくなるため、私たちは将来に向けての備えを、”自己責任“で行わなければなりません。

我々がそのような状況に置かれる中、新入社員や若手社員は、会社での説明会を通して、企業型確定拠出年金(企業型DC)に入るかどうかを決断する機会があると思います。

 

その際、調べたりすると思うのですが、出てくる多くのWebサイトでは確定拠出年金をポジティブに捉えています。(お得だから絶対入るべき・・・など)

しかし、ここで「メリット盛り沢山で、みんなが入っているから・・・」と言って、回りに流され「思考停止」でそれらに加入するのは非常に危険だと私は考えています。

 

このページでは、その理由も含め、確定拠出年金のメリット、デメリット(危険性)について議論していきたいと思います。

罠にかからないように・・・

 

注意(このページを読んでくれた方の資産を守るために・・・)


・私は資産運用のプロではありません。細心の注意を払っていますが、調べた情報や私の考えが間違っている可能性があります。また、このページは2019年7月に書かれました。それ以降に税制等が変わっているかもしれません。

・このページを読んでどう思ったにせよ、各自の資産運用は自己責任でお願いします。

・予測が難しい未来を無理やり考えているため、「想像・妄想要素」が多いです。


 

確定拠出年金とは?

確定拠出年金の概要と税制優遇制度などについて、簡単に説明します。

概要

確定拠出年金は大きく分けて個人型企業型に分かれており、個人型は、個人で月々の掛け金を支払い、企業型は企業が退職金として月々の掛け金を支払います。企業型の場合は各企業によって入社時に強制加入させられる場合があります。

2019年3月時点で、個人型確定拠出年金の加入者数が約120万人、企業型が約690万人で、計800万人越えの人々が利用している年金制度です[2]。

 

なお、このページでは企業型確定拠出年金(企業型DC)を中心に説明していきます。

 

確定拠出年金では掛け金を積み立てていき選択した外部機関で、選択した商品運用し、その運用結果が老後に一時金または年金として支払われます。そして、受け取れる額は運用の成績次第となります。

 

確定拠出年金のメリット

メリットその1「税制面で優遇されている」

確定拠出年金には税制面におけるメリットが3つのタイミングであります。その3つは「掛け金支払い時、積立金の運用時、積立金の受け取り時」です。

これが確定拠出年金最大のメリットと言われています。

 

①掛け金支払い時の税制メリット

掛け金には、所得税や住民税が課税されない。

②積立金運用時の税制メリット

通常、株や投資信託などの利益には20.315%の税金がかかるが、確定拠出年金で運用した時の収益に課税されない。

③積立金受取時の税制メリット

積立金の受取時には課税されるが、一時金としてまとめて受け取るときは退職所得控除、年金として分割して受け取るときは公的年金所得控除を受けられるので一定の額までは節税できる(控除額の計算式は複雑なのでこちらのサイトを参照)。

 

このような確定拠出年金の税制メリットを利用することで、老後に向けた資産運用が効率よく行えます。

 

メリットその2「会社が倒産したり、自己破産しても積立金が保護される」

文字通り、会社が倒産しても積立金が無くなるということはなく、自己破産しても債権者に積立金を取られることなく、老後に年金を貰うことができます。

 

確定拠出年金のデメリット

まず箇条書きで並べていきます。次の項で色々と議論していきます。

 

①運用期間中(30~40年位?)、運用コストや管理コストを延々と支払い続ける必要がある。

 

②積立金は60歳まで引き出せない。

 

③元本割れリスク(選択した金融商品によっては損する可能性あり)

 

④確定拠出年金の税制改革の可能性(特別法人税1.173%の復活、積立金受取時の控除額の減額など)

 

↑のデメリットってものすごーいリスクだと思います。

特に上のデメリット②と④の組み合わせが凶悪だと思います。

将来的に日本の労働人口がさらに減少し、高齢者が増え、財政が最悪の状態になることが予想される中、確定拠出年金の非常に厚い「優遇税制」が維持できるとは思えません

2019年の10月には、消費税が8%から10%に増税されようとしています[3]。このように、これから現在の安全保障や社会保障体制を維持するために、日本政府はさらに課税を強化していくでしょう。

 

仮にお金が足りなく、さらに増税するとなったら政府の立場から見て、どの層から税を徴収するのが一番良いのかを考えます。

そうすると過去の事例から見て、政府は、「ちょっと裕福なサラリーマン層」からの税金徴収を強化しようとしているように思える行動が多く見受けられます。

 

それが分かる例として、「2020年から年収850万円以上の会社員の給与所得控除の減額」することが2018年の税制改革で決定されていることを挙げます[4]。

今後、この給与所得控除減額の対象年収である850万が、700万、600万となり、所得控除減額の対象が広がっていくことも十分に考えられます。

 

なぜなら日本の維持のためには今後さらにお金が必要になるからです。

 

お金が少しだけ余裕があって、税をもっと取っても生活に大きな支障が無く、不満の少ない層。

つまり平均並みの生活の人、または少し裕福な層が増税のターゲットになっていくと思います。

 

そのような人は今何をやっているのか?

そう、余らせたお金(所得)を節税しながらも、老後のために積み立てることが可能な、魔法の制度「確定拠出年金」です。

確定拠出年金は低所得の方が入るのは難しいです。なぜなら今の生活だけでお金がギリギリで(私もギリギリです)、将来に回すお金など無いからです。

 

お金の無い所からは、どう頑張ってもお金を徴収できません。

 

そう考えると、各個人の余剰資金である確定拠出年金に税金を掛け、今後の日本を維持していくように思えます。(例えば、確定拠出年金の受取時における控除の減額などが考えられる)

 

そのような状況下で、自分の大切な資産を30年、40年拘束することには高いリスクが付きまとうと考えます。

しかも、その間ずっと手数料を証券会社(管理会社)に取られ続けます。(証券会社はお金が入ってとても美味しいので、年金の紹介資料にデメリットを大きく記載しない)

 

確定拠出にかかる税金 – 特別法人税 1.173%

確定拠出年金のメリットの項で、確定拠出年金には様々な税金がかからないと言いましたが、実は「特別法人税」の対象となっています。

一方で、この税金は2020年3月まで凍結されています。

もしこの税金が復活したら、「毎年」確定拠出年金の積立金と利益に1.173%の税金がかかります。つまり、それを上回る運用を行わなければ積立金は目減りしてしまいます。

 

しかしながら、この特別法人税が復活する可能性は低いとされています。

 

一方で、最近では凍結していた「妊婦加算」の再開検討をする動き[5]もあるので、そのような凍結された税金の課税再開には警戒はしておくべきだと思います(もちろんこの問題と確定拠出年金の問題は全く別物ですが)。

 

この特別法人税について詳しく知りたい方は、このサイト[6] が分かりやすいので、良かったら読んでみてはどうでしょうか?

 

結局、企業型確定拠出年金(企業型DC)には入るべきなのか?

(私の認識が間違っていることがあるので注意です。私は資産運用のプロではありません)

 

・新入社員や若手社員の方で、かつ加入する予定の方・・・

2019年7月現在の、特別法人税の凍結期限である2020年の3月まで待ってから企業型確定拠出年金に加入した方が良いと思います。

 

・新入社員や若手社員の方で、かつ暫く加入する予定の無い方・・・

まず、確定拠出年金に加入しなかったことで、自分の給与所得に、他の800万人の確定拠出年金の加入者より多くの税金(所得税・住民税)がかかっていることを認識する必要があると思います(どれくらい自分に課税されているのかなども把握したい)。

そして40歳近くなり、年収が増え所得税率や住民税率が上昇して来たら、加入の是非の判断をもう一度するべきだと思います。(この記事ではデメリットを強調していたが、やはり確定拠出年金の所得税、住民税が減る税制メリットは大きい)

 

また、入らない方は各自で勉強して資産運用の勉強をするべきです。余剰金を全額貯金にすることは勧められないです。

もし、仕事で時間がないなどの理由で勉強しないなら確定拠出年金に加入して、分からないなりに素直に証券会社のおススメの商品を選んでいる方が、あなたの資産を守ることができると思います。

 

まとめ

このページでは、資産運用の専門家ではない私の、企業型確定拠出年金に対する考えを長々と書いていきました。ここまで見てくださった方ありがとうございました。

 

確定拠出年金は「ふるさと納税」のようにリスクが低く、高い確率で得する“夢の”節税制度ではありません(ふるさと納税は事前に控除額等を正確に計算していれば得します)。

 

これから企業型確定拠出年金に入るにも入らないにしろ、自分の資産を守るために、「思考停止」にならず、不明瞭な未来に向けての資産運用方針を立てていきたいです(私も勉強しないと)。

また、確定拠出年金に入る方は、選択する商品(国内債券、国内株式、外国株式、不動産など)の割合を変更できるので、より運用成績を良くするために、経済ニュースなどを元に自分で考え、その割合を変更していくことなどを積極的に行い、無関心にならないようにしましょう。

 

引用・出典

[1] 人生100年、年金頼み限界 金融庁試算「貯蓄2000万円必要」

[2] 確定拠出年金の統計

[3] 10月の消費税増税を明記 政府、骨太素案を公表 

[4] 年収850万円超の会社員が所得税増税に!給与所得控除の改正

[5] 妊婦加算の再開検討 厚労省、自己負担緩和が課題に 

[6] 確定拠出年金に残るリスク「特別法人税」とは?凍結解除や廃止の可能性は